2014/10/29

帰りの電車内でのイガ栗。。。

昨日の帰りのこと。


電車に乗ると、席がひとつしか空いていなかった。


仕事帰りともなれば、おっさんももう足元が“お姫はん”な状態である。


当然座ることになる。


これは車両内に入った瞬間に気付いたことだが、車内では不定期に不思議な異音が鳴っていた。


 ズズズズズズッ!ズズズズズズッ!


砂のグランド上で何か重たいものを引きずるような不気味な音である。


最初は何の音かさっぱりわからず、窓から車外をのぞき見たくらいであった。


しかし、着座して程なくそのおどろおどろしい音の発生源は明らかとなった。


おっさんの左隣に座るおっさんのイビキだったのである。


そのおっさんは、顔はいかつく、イガ栗みたいな丸坊主にガッチリ体型のいかにもややこしそうな男で、物を引きずるような異音だけでなく、揉めるとめんどくさそうなオーラも十二分に周りに発していたのだが、その両耳は真っ白なイヤホン(おそらくiPhoneのもの)で塞がれていた。


でも、イガ栗みたいな季節感満載のビジュアルなクセして、真っ白なイヤホンをしている姿は何故か妙にお茶目で、既におっさんが隣に座った段階では車内の乗客達の間に、何か微笑ましい雰囲気が漂っており、中には彼の寝顔に優しい眼差しを向ける者までいたのである。


本来ならやかましくて不快なはずのこの異音も、その優しい気持ちに包まれて、もはや若干好意的な受け入れられ方をしていたと言っても過言ではない。


しかし、当然これはおっさん的には受け入れ難いものがある。

現に、すぐ隣に座るおっさんは、イガ栗に枕がごとく思い切り寄りかかられて実害を受けているのである。

しかも、それは車両が先を急ぐと共にどんどんひどくなり、2駅も過ぎた頃には、もはやおっさんを抱き枕代わりにしていると言ってよい状態となっていた。

お茶で毎日うがいするようなナチュラル美人にならともかく、こんなイガ栗頭に寄りかかられるなんてまっぴらぴらなのは当然のことだろう。


だいたい、こんな向井理みたいな顔した抱き枕が何処にあるというのだ。


そもそもイヤホンで何か聴きながら寝るなんてどんな神経してるんだこいつは!

と、こうなると、もはや一瞬とはいえお茶目な気もした白いイヤホンさえもだんだん腹立たしく感じてくる。


悪いけど起きてもらおうか。。


おっさんがこう思うのも当然ではなかろうか?


ただ、方法はいろいろある。

 •  肩をゆする。

というテンダーマインド溢れる方法から、


 •  頭をはたく。
  ・ いきなりヘッドロックをする。

といった、若干問題が別方向に発展しそうな方法までが色々と思い浮かんだ。

しかし、この時は少し角度の違う考えが頭をよぎった。



そうだ!

そもそもこのおっさんはイヤホンで何かを聴きたかったのである。

でも、昨夜遅くまでテレビを観ちゃって睡魔に負けてしまったのに違いない。(ビジュアルから仕事を頑張って疲れているとは到底思えない。)


何を聴くつもりだったのかは知らないが、ここはやはりしっかり聴かせて目を覚まさせてあげるべきではないのか。


さもなくば彼は降車駅を乗り越してしまうかもしれない。

親切心からおっさんは作戦を即実行に移すことにした。


幸いおっさん側にイヤホンのボリュームコントローラーがあった。


若干矛盾するような気もするが、起こさないように注意しながらそぉ〜っとボリュームボタンに手を伸ばす。


”という方のボタンを1度押してみた。


 ・・・・・

イビキは一瞬止まったが、イガ栗に変化なし。



何も音が流れてないのか?

しかし、イガ栗以外の乗客には明らかな変化が認められた。


完全に、おっさんのこの親切な行動にみな興味津々な感じで注目しているのである。


民衆というのは本当に恐ろしいものである。


最初はあれほどイガ栗に好意的な目を向けていたにもかかわらず、今ではもう
  “そんなのもっとボリューム大きくして
        叩き起こしてやりゃあいいんだ!
と言わんばかりにみなニヤニヤしているのである。

ニヤニヤする程度ならまだ良い。

中にはクスクス笑いを懸命に堪えている者までいるのである。

これは、
  “オラオラっ!もっとやれ!もっとやれ!
  そのおっさんが飛び起きる姿が見たいぞ!
  でも、そいつが怒って暴れ出したらお前が責任とれよ!
  俺は知らないぞ!知らない!見たいけど。。。
と、言っているのと同じことである。


ここらあたりの民衆の“無責任な煽りとハシゴ外し感”というのは、この時のおっさんと安倍しんぞーさんぐらいにしかわからないのではないだろうか。。

しかし、そうなると更にもう1段階音量アップしてイガ栗の反応を確認!と思うかもしれない。


しかし、それはやめておいた。


一気に6回“”ボタンを押したのである。



 んにゃにゃにゃぁーん!


腹立つことに、このイガ栗は、ここにきてまでまた若干可愛らしさを演出するような妙な声をあげるやいなや飛び起きた。


車内には小さな笑い声が起きた。


当然、おっさんは即座に寝たふりである。


でも、面白いことに、イガ栗は先程の奇妙な声を上げた直後、目が覚めているにもかかわらず、まだ残っていたのか
  ズズズズズズッ!
とまたもやいびきをかいたのである。


起きていながらイビキをかくなんて、あんなことあるんですな。


おっさんが噴き出しそうなのを懸命に堪えながら反対側を向いて寝たふりを続けていると、イガ栗は次の駅で急いで降りて行った。


やっぱりほっといたらヤバかったのである。


おっさんは1日の最後に良いことしたなぁと思いながら、自宅最寄駅までの車中、目を瞑って寝たふりを続けたのである。




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2 件のコメント:

  1. こんばんは、向井千秋似のロンさん♪
    ロンさんは、おっさんにモテますなぁ~♪
    向井千秋似のロンさんは、違いが分かるからなぁ~
    違いが分かるロンさんは、てっきりイガ栗のおっさんに~
    ギロチンチョークを決めると思ったのになぁ~
    でも、良い事したからOK~♪

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  2. ひーちゃん!
    向井理ですよ。
    知りませんよそんなこと言ってっと。。

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