通勤途中のデキゴト。

先日の朝、いつも通勤途中に通る横断歩道で信号待ちをしていた時の話。 

その横断歩道は５歩程度で渡りきれるような狭い道幅の一方通行の道路にかかっており、道行く人の大部分は自動車が来ていないと赤信号でも無視して平気で渡って行く。

でも、おっさんはこういう時も信号は必ず守るようにしている。

いい大人がそんなことも判断できないの？

と思うかもしれない。

でも、おっさんは交通ルールをしっかり守っていても事故に巻き込まれた不幸な人を知っている。

ルールをしっかり守っていてもそんなことは起こりうるのだ。

いくら朝忙しいって言ったって親の死に目に会えないなんてわけではない。

そもそもそんな姿を小さな子供なんかが見ていたらどう感じるだろうかと思うと、とてもそんな気持ちにはなれない。

これがおっさんなりの判断なのだ。
  

その日も、もう車が見えるところまで来ていても、どんどんたくさんの“いい歳をした大人達”が赤信号を無視して早足に渡って行く。

ここでは信号に従って止まっているおっさんの方が“変わったヤツ”のようだ。

以前は腹が立って注意したこともあったが、お巡りさんが側に立ってたって平気でみんな渡って行くほどなのだ。

アホらしくてやっていられないので、今ではもう何とも思わなくなっていた。

でも、その直後、おっさんも予想しなかったことが起こった。

おっさんの右側をステッキで前方を確認しながら進むおそらく全盲と思われる男性が、どんどん信号無視で横断歩道を早足で渡る人達の足音につられて横断歩道に進入したのだ。

細い道路だから車も低速だったけど、それが故に余計走行音も小さかったのだろう。

赤信号ですよっ！ 

なんて声をかける余裕はなかった。

咄嗟に後ろから襟首とベルトを掴んで引き戻した。

当然、“ なっ！何ですかっ！”と叱られてしまった。

突然引っ張ったのは悪かったが、何でおっさんが叱られないといけないんだろう。

やっぱ世の中少し間違ってきていると思ってしまった。。。  
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